体験談

藤井 杏奈

私は、8月1日~9月6日までイタリアにあるパルマ大学の法医学教室で勉強させて頂きました。主に、教授と一緒に「フェミサイド」について研究しました。フェミサイドは、「女性の方が性別を理由に男性よりも殺されやすい」という問題で、ヨーロッパやイスラム圏などでかなり問題視されており、日本でも、昨年に起きた小田急線内での殺傷事件を機に注目を集めました。
私は、これまでに近藤先生が和医大で解剖された記録の中から、他殺であったデータを集め、男女でどのような違いがみられるか、フェミサイドが日本で起きているか等を調べました。また、それらをもとに、イタリアと日本でどのような相違が見られるのか、パルマ大学の教授と共に研究し議論しました。他にも、司法解剖に参加させてもらったり、考古学者の方に、頭蓋骨から性別を特定する方法を教えてもらったりしました。研究室では、大学院生の方々も交えて、皆でお昼のランチや夜のパーティー等に参加し、楽しく過ごさせて頂きました。
イタリアの人達は、朝は、エスプレッソとクロワッサンの朝食からスタートし、日中しっかり働いた後は、夜遅くまでワイン、生ハム、チーズ、ピザなどを屋外にテーブルを置いて友人や家族と食べながら会話を楽しむ人が多いです。私も一緒になって数多くの素晴らしいイタリア料理を堪能しました。
皆んな、美味しいものを飲んだり食べたりしながら、思う存分喋って、笑って、その日一日を思いっきり楽しんでいました。それを見て、仕事と私生活のメリハリを上手くつけて、今日一日の人生を楽しむことを忘れない精神も大切だと実感しました。
週末には、ヴェネツィアやフィレンツェまで観光に行きました。イタリアは特にスリが多いので、1人で観光するのは少し怖かったですが、それぞれの都市で建物や街の雰囲気、有名な料理を楽しむことができました。
留学前は、ヨーロッパに1人で行くということに少し不安はありましたが、新しい環境に身を置き、色々な経験をした中で、沢山の刺激を受けながら、新たな知識や価値観を得ることができ、私自身、かなり成長できたと実感しています。
コロナ禍ではありましたが、沢山の方に協力して頂き、イタリア留学を実現することができたことを嬉しく思います。これから先も、今回の留学で得られた経験を活かしながら、積極的に色々なことに挑戦していきたいです。
留学をサポートして下さった法医学教室の近藤先生、国際交流センターの林さん、改正先生、パルマ大学のチェッキ先生、ジョバンニ、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

このページの先頭に戻る